ベンチプレス、細くても100キロ上がる?筋肉のパワーの仕組み

ベンチプレス

筋肉のパワーとは?

筋肉の繊維は全か無の法則というものがあります。筋肉には何万本もの筋繊維が含まれていますが、例えばその筋繊維を何本使うかで、パワーの調整を行なっています。つまり、少しでも太くて多くの筋繊維があればあるほど、そしてその筋繊維をうまく動員できるかがパワーを高めることにおいて重要なことになります。火事場の馬鹿力という言葉があるように、人間は相当な危機的状況でない限り、100%の力は出せないようになっています。

そしてサイズの原理というものがあり、小さい運動単位から徐々に動員され始め、負荷が大きくなったりすると、大きい運動単位が動員され始めます。特に筋繊維には遅筋繊維速筋繊維というものがあります。遅筋繊維とはパワーはないが持久性に優れた筋繊維のことです。速筋繊維とは持久力はないがパワーに優れた筋繊維のことです。速筋繊維は遅筋繊維よりも筋肥大しやすいため、筋肉を大きくしたい人は、速筋繊維をどれだけ刺激できるかが鍵になります。

筋肉量×筋出力×技術

パワーを発揮するために一番大切なのは筋肉量です。

その次に神経系の筋出力がうまくできるかと、フォームなどの技術があります。
様々な角度からトレーニングを行いましょう。

パワーを伸ばすために必要なトレーニング

筋肥大トレーニング

パワーを上げるには、当たり前ですが筋肥大のためのトレーニングは欠かせません。筋肉を大きくしたいなら、より大きくなりやすい速筋繊維を動員する必要があります。速筋繊維を動員するには、

  • 大きな負荷をかける
  • 伸張性収縮を意識する
  • 疲労困憊まで追い込む

この3点が大事になります。特に上の2つはかなり大事になってきます。

では伸張性収縮とは何でしょうか?
ダンベルアームカールで言ったら、肘を曲げてダンベルを持ち上げる時のことを短縮性収縮といい、そこからゆっくりダンベルを降ろす時のことを伸張性収縮と言います。
このゆっくりダンベルを降ろしているときは、サイズの原理を度外視して、速筋繊維が優先的に使われることが分かっています。さらに筋肉の繊維一本に対する負荷が大きくなるので筋損傷が起こりやすく、筋肥大しやすいと言われています。

適切なレップ数

筋肥大を目指す場合、適切なレップ数は種目などにもよりますが、6〜8回です。これにより、筋肉に十分な刺激を与えることができます。詳細は適切なレップ数についてをご覧ください。

神経系のトレーニング

筋肉を最大限に動員するためには、神経系のトレーニングが必要です。神経系のトレーニングでは、筋肉の繊維を効率よく動員することを体に覚えさせます。意図的に火事場の馬鹿力を出せるようにトレーニングをするということです。

効率的な神経系トレーニング

神経系のトレーニングとしては、高重量で低レップのトレーニングが有効です。具体的には1〜3レップです。これにより、神経系が筋肉を動員する能力を高めることができます。
また、筋肥大のためのトレーニングでは邪道になりますが、ある程度チーティングを用いて、無理な重量で行うことも効果的です。怪我をしないように細心の注意を払って行いましょう。

フォームの重要性

ベンチプレスにおいて、フォームの適切さは非常に重要です。正しいフォームを維持することで、筋肉に効率よく力を伝えることができます。

握り方や手幅

適切な握り方や手幅は、ベンチプレスのパフォーマンスに大きな影響を与えます。詳細は握り方や手幅をご参照ください。

ブリッジや呼吸

ベンチプレスでは、ブリッジの作り方や呼吸法も重要です。これにより、体全体の安定性を高め、パワーを効率的にバーに伝えることができます。詳細はブリッジや呼吸をご覧ください。

細くてもベンチプレスで100kg挙げることは可能

パワーリフティングの選手がベンチプレスを行なっているところを見たことがあるでしょうか。
特に体重の低い階級に目を向けると、その体の大きさでこんなに挙がるのかと感心します。もちろん彼らの体の体組成は素晴らしく、体重に占める筋肉量はかなり多いはずです。それでも、パワーを発揮するには筋肉量だけが全てではないことがわかります。下の動画は66キロ級の牛山恭太選手の試技です。
https://youtu.be/p41cNRVWEm8?si=yBJBWKkUfaaaYJXL&t=1070

筋肥大とパワーは表裏一体

筋肉が大きくなればパワーは強くなります。逆もまた然りで、パワーが上がれば筋肉により高い刺激を与えることができるので筋肥大しやすくなります。様々なトレーニングをして、ベンチプレス100kgを目指しましょう。

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